オクテット(英: octet、8個組の意味)は、コンピュータの、特に通信関係の分野などで、厳密には8ビット以外を指すこともある「バイト」の代わりに、必ず8ビットのことを指すものとして使われている語である。
「バイト」と違い、「オクテット」は必ず8ビットを意味するものであり、通信分野などでプロトコルなどを定義する際などに必要となる。
概要
オクテットの主要な使われ方には、IETFにより発行されるRFCがある。初期の例では1974年のRFC 635で、フランス語、フレンチカナディアン、ルーマニア語で、「8ビット」の意味で「オクテット」の語が「バイト」の代わりに一般的に使われており、「メガバイト (MB)」は「メガオクテット (Mo)」である。
コンピュータの歴史の初期には、「バイト」は「8ビット」の意味とは標準化されておらず、色々なマシンによって、異なる(比較的小さな)サイズの単位を表した。後にSystem/360やマイクロコンピュータの普及によって、「1バイト = 8ビット」の処理系が普及した。2008年発行のIEC 80000-13で正式に「バイト」は8ビットであると定義されたため、今日では「バイト」と「オクテット」はほぼ同義語だが、幾つかの大型コンピュータ(一部のメインフレーム、ミニコンピュータなど)では、混乱を避けるための注意が必要である。
オクテットは8つのバイナリのビットのため、しばしば16進数や10進数や8進数で表現・表示される。8つのビットの全ての値がセットされる(オンになる)と「11111111」となり、これは16進数では「FF」、10進数では「255」、8進数では「377」となる。
オクテットはInternet Protocol (IPv4) コンピュータネットワークのアドレスでも使われている。それらは4オクテットのシリーズから構成されており、通常は10進数で、ドットで区切られて表示される。全ての8ビットのセットがオンになると、ネットワークアドレスの最大値となり「255.255.255.255」となる。
一覧
オクテットは、SI接頭語または1998年のIECによる標準化である2進接頭辞で使用することができる。
10の冪乗単位で、SI接頭語のキロ、メガ、ギガ、テラなどが以下のように付く。
語源
「オクテット」(8個組の意味)は、ラテン語やギリシャ語の数字の「octo-」から来ている。
類似の用語
使用例はごく少数ではあるが、類似の用語として例えば RFC 4042 では、9ビットを nonet(9個組、9人組、九重奏の意味)、7ビットを septet (7個組、7人組、七重奏の意味)、16ビットを hexadecet と呼んでいる。
また、4ビットのことを quartet(4個組、4人組、四重奏の意味)と呼ぶこともある(ニブルを参照)。
その他
Unix系のオペレーティングシステムのファイルシステムのドキュメントでは、ファイルパーミッション(リード、ライト、実行)として使われる3ビットの意味で、混乱した用語として「permission octet」が、正しい「permission triplet」の代わりに時々使われているのが見られることがある。おそらく、パーミッションビットの意味が3桁ごとであることから多用される八進表現 (octal) との混同であろう。
参照
関連項目
- バイト (情報) (byte)
- ワード
- キャラクタ (コンピュータ)
- 情報量
- データ量の比較




